●新連載
クーニーズ          文はえんどうくにこ


世間の荒波を凛々しく乗り越えて来たベテランOLエンドーが
世間の矛盾、不正?を次々あばいて行きます!…多分。

今回は肩に力入ってた彼女、フイのダジャレにノックダウン。



い・や・し

新年早々、大喧嘩してしまった我が父親でありますが

とてつもなく、たまらなくいとおしく思ってしまうことがありました。

毎朝私の出勤前、いつしか習慣になってしまった民放テレビの星座占いのコーナー

があります。

父は新聞を読みながらその時間になると『始まるぞ』と嬉しそうに声をかけてくれ

るのです。

いつものように『おぅ、これはいいぞ!山羊座はすごい!』などと朝からおおはしゃぎ。

たまたま、超イライラしていた私に耳障りだったのでした。「うるさいなぁ、自分の

だけ覚えてればいいの!」と一言。

『ちなみにあんたはなんだっけ?』と言われてムットして「毎日観てるクセにいい

加減に覚えてよね!アタシは天秤座」『ホホーっ、両天秤かァ』カチンときて「何いっ

てんの。お父さんまさか自分の星座くらいわかってるよネ、何座なの?」

数十秒の沈黙『ふ〜ん、俺はぎょうざだぁ!でも食わず嫌いだぁ』

思わず私はコーヒーをプーッと吹いてしまいました。「朝から笑わせないで、勘弁して

よねぇ〜、しし座でしょ」

『そうかっ、百獣の王様だな』この辺で止めとかないと遅刻してしまうので笑いながら

私は玄関へと向かいます。

『おっ、もう出かける?今日もお見送りしないとね』「じゃ、いってきまぁーす」

ニコニコ笑いながら『じゃあね』と手を振る父。


バスに揺られ電車に揺られて、思い出し笑いが止まりません。元気づけてくれたのか、

それとも天然ボケなのか。

ありがとう、お父さん。喧嘩ばかりするけど、本当は、私はお父さんが大好きなんだ!

と心の中で叫んでいました。


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