5/3ののらねこ       文は田島薫



ねこともだち

連休の中日のきょうはさすがにエサ皿はなめたようにきれいに真っ白になっていた

けど、肝心なお客さんの姿はどこにも見えない。

ねこさんたちも連休はどっかへ出かけるのかも知れない。

きょうはとりさんも来ない。出したエサにはえさんが一匹とまっていたから、

きょうののらねこ、を、きょうののらはえ、にしようかとも考えたんだけども、

いまひとつ話が地味そうなので、先週あったどうでもいいような小さなねこ話をひとつ。


自宅のあたりを時々歩いているきじねこがいて、見かけるとおいおい、って声をかける

んだけど、いつもこっちをちら、っと見ただけで、無視して向こうへ行っちゃってたのが、

夕方風呂上がりに窓から顔出して涼んでいると、向こうから当人こっちに気づかず

ずんずん歩いて来たので、そばまで来た時、おい、って声かけて、元気かい、どこへ

行くんだい、などと話しかけると、その場にごろんと、寝そべった。


土曜の昼下がりに2階の窓から見てるとまた当人がうちの雑草のはえた庭に入って来て、

草ん中に寝そべったので、またおおーい、って声をかけたら、振り返って、こっちを

じっと見てる。

前なら、そんな時はすぐ前に向き直って、あっちへ行ってしまうとこなのに、今度は

そのままずっと、こっちを見ている。

こっちも彼に特に話したい話題もなかったので、話しが途切れ、ただ見合っていたら、

もういいか、って、向こうもそう思ったらしく、前を向いてそのままくつろいでいる。

またねこともだちが増えてしまった。


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