8/26ののらねこ
      文は田島薫



朝、空の皿にエサを少し多めに入れた。

先週ぐらいに、評判のわるいエサがなくなって、前のに戻したら

なんだか売れ行きがよくなったようなのだ。


ねこが親子で来てるよ、と言いながら、クボセンセイが遅出勤

して来た。

窓からのぞきこむと、ツートンカラーがエサを食べていて、

階段の下り口から似た柄の小ねこがこっちをのぞいている。

手招きしたが、来ない。

ひっこんで、しばらくしてから見に行こうとしたら、クボセンセイ

がドアを開けて外へ出ていた。

ねこはどうしたと聞くと、いるよそこにと言う、階段の途中で、

ツートンカラーが寝そべっている。

小さい方は?と聞くと、逃げたと言う。

ねこがいる時には、ドアを不用意に開けちゃだめだと、十何回め

かの注意をしたが、センセイは人の話は聞かない。


ドアを開けた時、ふたりでエサを食べてて、ツートンカラーは

さっと階段の途中に逃げたのに、小さい方は気がつかず食べ続けて

たので、そばへ行って足でトンとおどかしたそうだ。

センセイはこどもなのだ。



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